探せない

高い鉄塔のたもとの湖私は心を探しにここへ来た 私の心は石炭のかけらのような心ほんとに石炭みたいだから少し力を入れて角っこをいじればぽろっと崩れてしまうもしぽろぽろぽろぽろとたくさんのかけらになってしまおうと私の心には変わりないからなんてことないのだけれどでも私の心は一個でいい ここに来てしばらくは水際をチャプチャ…

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初夏

路傍の闇に転がった初々しい夏の匂いから夏至の色を抽出飲み残しのペットボトルのお水に垂らした夏至の色お水と混ざりきらずに時の地平面となる

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無音

墨色の空に心残りの雲ひとつ指でほじった穴からたらんと流れ出るお月様の光私の靴を濡らす

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