2121


いないいないばあ!
と、月が笑う朝

光は空間を押し広げてゆく



信号機たちは
軽快なステップを踏み


高架下の鳩は
人を見定める


改札で奏でる電子音楽は
時を区切り


私たちは
真空の世界へと吸い込まれていく




吸い込まれてゆく道すがら

出来立てホヤホヤの空間の中を
息を殺しながら旋回する飛行機をみて


ああ、今日もまた
世界の安全を証明する一日が始まるのだと

私は思う。




この記事へのコメント